kieloの歴史講座~高校受験を考える~

kelo太郎とぶつかりながら、元教師kieloがマンツーマンで行った歴史の学習から、実際のノートの記録などを用いて、ポイント解説を行います。理解できたか確認するための問題や復習ドリルも準備したいと思います。

理解することと知っているということの違い。

理解するということ

学習が苦手だと思っている中学生たちの多いこと。非常に残念に思います。なぜなら、学習が不得意なのではなく、実は学んだことの出力が苦手な多くの中学生たちが、その中に隠れているからです。とても努力しているのに、なかなか点数が伸びない悩みを抱えている人が多いのは事実です。


そこで大切なのは、決して能力が低いのではないということ。「理解する」ということを大きく誤解している人がたくさんいるとkieloは考えています。


私は社会科の教師でしたが(退職しました)、理解=暗記と考えている生徒が、一生懸命に教科書を丸暗記したけれど、点数が伸び悩み、本人や保護者の方に理由を聞かれることが度々ありました。その理由は簡単です。


現在の中学生は、様々な情報を入手するスキルを多く持ち、使いこなすことができる点で、kieloが中学生だった頃よりも非常に優れていると言えます。


しかしながら、一方で多くの情報から得たことを自分の言葉で語ることが苦手です。


Q源氏物語を書いたのは? 
「紫式部!」
Q藤原道長が行った政治は? 

「摂関政治!」
こういった限定された一問一答式の問いには答えられるのです。しかし・・・
Q平安時代は、どんな時代だったの? 
「・・・・。」


単独の語句を入力することはできるのに、その言葉同士が意味を持って結びついていないのです。だから、質問がちょっと変化するだけで対応できなくなってしまう。
要するに「知識」が構造化していないのです。クイズの解答を暗記しているような学習では、本当の意味で学ぶ力は身につきません。


つまり、表面上「入力」は得意なのに、「出力」が苦手であるという特色を持っているように感じます。あくまで、個人的な意見ですが。


こんなことは、ないでしょうか?
テスト中に
「この問題の答えはノートの(教科書の)この辺に書いてあったんだけどなぁ・・・」
「文章で答えるのが苦手なんだよなぁ」


正直にいうと、教科書やノートの何ページに書いてあったかなんてことは、理解には関係がありません。さらに、言葉は分かるけれど、その使い方が分からないということは、その言葉が示す本当の意味を理解していないということだと思います。つまり、「理解」に到達していないのです。


それでは、どんなふうに理解を深めていけば良いのでしょうか。
それは、出力の訓練の一言に尽きます。


そして、出力の際、最も優れていると私が感じている方法は、話すということです。学習の話をする相手がいるならば。もしそうでなければ、書くこと。ただし、書くということは、問いを自分で見つけなければならないので、大変高度だと言えます。話す時は、相手との会話の中から、理解の違いや共通点に気がつき、互いに考えを深めたり、言葉同士の意味がつながったり、広がったりしていきます。現在、教育界でよく話題になっているアクティブ・ラーニングの考えにもつながっていきます。
ちなみに「アクティブ」とは、子どもがワイワイ話し合っていたり、活動したりしていることを指すのではありません。頭の中が「アクティブ」になることを大切にする学習法です。そのために大切なのは「問い」です。
一問一答の問いでは「思考」は「アクティブ」にはならないし、知識が構造化されることもないのです。


さぁ、歴史の学習を始めよう
息子koli太郎に最初にした簡単な「問い」です。
Q1 次の文にあてはまる文章を、話してみよう(書いてみよう)
         )ので、土器が発明され、結果(         )。


★何を調べても構いません。この(    )に自分の言葉をあてはめて、意味のある文を作ってみてね。


答えは1つではありません。だから、何通りでも答えを書くことができます。
こうした方法で、丸暗記しただけだった言葉どうしのつながりに気がつき、様々な角度から思考力を高めることができます。


点と点を線でつなぐのではなく、知識を網状にしていく
一問一答は点(問い)と点(答え)を結んでいく作業です。学習の基礎としては大切なことです。けれど、それだけでは全く使えないんですね。問いの言葉や、形が少し違うだけで分からなくなります。よって、もし効果のある学習を使用と思うなら、語句のイメージマップをつくることをお勧めします。
★見づらくてスミマセン。これは、kelo太郎と話しながら書いた実際のイメージマップです。


ここで大切なのは、言葉より間に張り巡らせた線や矢印なのです。実は、この線をつなぐとき、子どもの頭はグルグルとさかんに働いています。関係性を言葉で考えるのです。見た目は線なのですが、つなぐとなると「なぜ?」を考えざるを得ないのです。なるべく多くの言葉を多くの視点からつなぐことが重要です。そして、出発点は何でも構いません。今学習している教科書のページの太文字になっているモノから選んでもいいでしょう。ちなみに、このイメージマップの出発点は「聖徳太子」です。前回の講義のまとめを行う前に、頭の中を整理するために書いたイメージマップです。


次回は、このイメージマップを用いた出力トレーニングを紹介したいと思います。


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